評価
あらすじ
その魔術師は、にぃと笑って言った。ゲームねぇ、なかなか面白そうじゃないか―。ゲームと称する、その予告は大胆にして唐突なものだった。『我は、今この会場内に集まった諸君の中から生贄を選定し、処刑することをここに宣言する』と。不可解な予告がはたして真実となったとき、舞台となる城翠大学は混乱の渦へと落下していく。加速する猜疑、恐怖、狂乱。だが、美しき女魔術師は、巧妙なる欺計を鮮やかにそして皮肉げに解き明かす。そしてゲームは誰もが予期せぬ結末へ。これは推理小説を模った魔術師の物語―トリックスターズ登場。
感想
うーん、確かにこれをミステリーと言い張ったら誰かに怒られそうだ。
最後まで油断ができない、魔術があることを前提としたミステリー…じゃなくて、何だろう。トリック作品?
以下の段落が好き。
――本当この五人は仲がいい。
実はずっと不思議に思っていた。これだけバラバラな個性を持った面々が五人も集まって、どうしてこれだけうまく付き合えるのか、と。けれど、その理由が今わかったような気がした。
それはきっと、この五人がそれぞれの個性を最大限に発揮しながらも、互いに衝突し合わない絶妙の均衡を保っているからだ。
五人の個性の形状が、まるでパズルのピースのようにがっちりと嵌り込み、そこに『幸福』という名の肖像を浮かび上がらせている。時々、その個性が大き過ぎるだけに角が噛み合わず、ピースの片鱗同士が接触してしまうことはある。しかし、それもすぐに他の面々が位置をずらして距離を保ち、補い合うことで、関係は即座に修復される。
私もそんな仲間と出会いたい。