評価★★★★☆
あらすじ
十五世紀、百年戦争下のフランス。王家の威信は失墜、世には混沌と暴力が充ち、人々は恐怖と絶望の淵に沈んでいた。そんな戦乱の時代の申し子、傭兵隊を率いる無頼漢ピエールは、略奪の途上で不思議な少女に出会い、心奪われる。その名は―ジャンヌ・ダルク。この聖女に導かれ、ピエールは天下分け目の戦場へと赴く。かくして1429年5月6日、オルレアン決戦の火蓋は切られた…。
感想
時は15世紀。
フランスは長い間戦乱の世であった。
のちに英仏百年戦争と呼ばれる戦の真っ只中、貴族の私生児ピエールは隊長として一つの傭兵隊を率いていた。
次の戦場はオルレアン。
救世主=ラ・ピュセルと呼ばれる者が現れた。名はジャンヌ・ダルク。
自らを神の遣いと述べ、王太子シャルル軍に勝利をもたらすという。
彼女は処女を捧げるという約束でピエールの強姦から身を守った、あの女だった。
ごまかしのない、率直な傭兵隊の姿が気持ちいい。
戦があれば駆けつけ、なければ食いっぱぐれないよう街を襲い食料や金目のもの、女を強奪する。
不安定な身の上、死と隣合わせの日々。
だけど仲間との強い絆、勝利の嬉しさを感じられる。
傭兵隊長ピエールの人間性が好き。
仲間思いで、皆の父親のような存在で、女にはちょっと弱くて、でも優しい。
欠点も含め全てが好ましく思える。
ジャンヌの素朴さ、潔癖さも一つの人格として可愛かった。
その時代に生きている人の息吹を感じる。
戦争ものの昂揚した感じが気持ちいい。
戦、戦、また戦、勝利、喜び。
この時代なりのルールがすっと身に入る。
上下巻合わせて1000ページ弱と分厚いけど、一気に読みたい作品。
【以下ネタバレあり】
大団円。
結婚式のくだりでは、涙が出そうになった。
ジャンヌを助けだす時ははらはらドキドキ。
ジャンヌは相変わらずで、すっかり亭主を尻にひく女房になっちゃって、時々かちんと来るけれど、ピエールが幸せならいいや。
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