評価★★★★☆
最初は、ガリア王のウェルキンゲトリクスを、なんて下品なんだろうと思った。
野卑で子供っぽくてぞんざいで、いいところは顔と先を見る目だけ。
逆らうものは味方であっても容赦しないし、女は道具扱いだし、育ての親や兄の言うことをちっとも聞かずに好き勝手やっている。
従兄弟が説教しようとしても、笑ってからかって野次を飛ばして終わりにしてしまう。
鍛冶屋のアステルの気持ちに同意した。
こいつはとんでもない野性児だ。
この人に従うのは間違いだったのではないか。
ローマ側のカエサルも好感をもてるとは言い難い奴だ。
ハゲ親父だし、出世のことばっか考えてて媚を売るし、自分の戦果を小説風に書こうとしてるし。
自意識過剰のバカか。
八方美人な計画しかたてられなくて、二兎を追うものは一兎をも得ずになるし、兵隊の苦労も考えない。
百人隊長のマキシムスの言う通りだ。
ヴェルチンとカエサルが共倒れすればいいと思った。
一人の女をきっかけに、彼らは変わっていく。
私はまだ二十年しか生きていないからカエサルの気持ち全てに同意はできないけれど、彼が変わったことは分かった。
そしてヴェルチン、奪ってきたカエサルの妻カルプルニア、ハエドゥイ族から嫁いできたエポナ。
カルプルニアとの交流がヴェルチンを動かし、エポナはヴェルチンの不器用な優しさを知る。
エポナが可愛い。
ほぼ全部族を集めてガリア解放会議を開けた嬉しさあまりに卑猥な言動でエポナをからかわずにはいられないヴェルチンも可愛いが、真っ赤な顔して罵倒するエポナも可愛い。
ヴェルチンが「乳くせえ、乳くせえ。するってえと、あそこは、どんな臭いなんだ」と大声で言えばエポナは掌を思い切り噛む。
いてえ、いてえとヴェルチンが引いたら、この馬鹿男、あんたなんか、もう死んじゃえと罵倒する。
はた目からだと微笑ましいですな。
エポナが本気で嫌がってるのは分かるんだけど、ニヤニヤせずにいられない。
ヴェルチンとエポナの初夜も感慨深いっちゅーかなんつーか。
愛情を表現する方法を知らない、ヴェルチンの不器用な優しさが愛しい。