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気合を入れた本とそうでない本の差が激しい、読書感想文。メインの読書タイムは通勤時間。マイブームはライトノベル全般。
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茨姫はたたかう (祥伝社文庫)茨姫はたたかう (祥伝社文庫)
(2000/06)
近藤 史恵

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評価

あらすじ

「童話の眠れる茨姫は、王子様のキスによって百年の呪いが解け、幸福になった。もしそれが、ストーカーのキスだったら?」対人関係に臆病で頑なに心を閉ざす梨花子は、ストーカーの影に怯えていた。だが、心と身体を癒す整体師合田力に出会ったのをきっかけに、初めて自分の意志で立ち上がる!若者たちに贈る繊細で限りなく優しい異色のサイコ・ミステリー。

関連レビュー

前巻【カナリヤは眠れない/近藤史恵】

感想

一人称の語りがうまくて、ついつい引き込まれてしまう。悩んで惑う女性と、駄目な人間が登場する、整体師が主役のミステリ。

合田先生の整体に通いたい!身体のコリをほぐしてくれて、一緒に心の凝りも吐き出させてくれる。

「力先生ってなんか不思議ですよね」
(中略)
「でも、あの先生と話していると、急に結び目が解けたみたいに、なにもかもはっきりして。そうしたら、なんかもうどうでもよくなってしまった。不思議ですよね」
 たしかにあの人は、もつれた身体と心を解きほぐしてくれる人だ。薬を与えて、炎症を抑えたり、麻痺させたりするのではない。どこかでわだかまったり、滞ったりしている流れを正しい形に戻してくれる。

そんな整骨院があったら、毎週通うよ。

心に響く言葉が多くあるので、書き留めておく。

「なあ、小松崎。おれは愛情なんてもんは、そんな大層なものやないと思っている。しょうもない、エゴだらけの、いやらしいもんや。でも、人間って、それがないと生きられへんみたいやなあ」

「要するに、恋愛って、心を無理に軋ませて寄り添うことなんやろうな」
 心を軋ませて寄り添う。ぼくはそのことばを心の中で繰り返した。
「そうやって、心を軋ませても、そばにいたい、と思うことなんやろうなあ」
 ぼくは頷いた。そう、心が軋んでつらい痛みを伴っても、ぼくは彼女のそばにいたいと思う。ただ、それだけのことだ。

「自分、ずいぶん臆病やな」
(中略)
「誤解すんなや。臆病なこと自体は決して悪いことやないで。少なくとも、自分、臆病でいたおかげで、今までそれほど傷つかんですんだやろ」
(中略)
「自分の身を守るために、臆病でおるのは悪いことやない。それはただ、そういう生き方や。平凡で、なだらかな。だが、悪いのは、臆病でおれば、だれかが守ってくれる、と思いこむことや」
(中略)
「臆病であろうが、無鉄砲であろうが、世界が守ってくれることは絶対ないんや。他人も少しは守ってくれるかもしれんが、結局大したことはできへん。でもな、特に女の中には、それに気付いてへんやつがたまにいるんや。臆病でいれば、世界が守ってくれる。なんかそういう幻想に囚われている人間がたまにおるんや」
(中略)
「とりあえず、言うとく。自分の生き方は別に間違ってへんで。臆病なこと自体は、別に悪いことやない。臆病なおかげで、自分、今まで、妙な男に騙されたり、変なことに首突っ込んでえらいめに遭ったりしてへんやろ。だから安心せえ。なんにも怖がることはない。ただ、ちょっと視界さえ広くなればそれでええんや」

「でも、臆病な人は、そうでない人よりもやっぱりいろんなことを知らないまま、終わってしまうんでしょうね」
「そらそうや。そのかわり、無鉄砲な奴はいろんなことを知るかもしれへんけど、満身創痍。どっちもどっちや。まあ、人生通して、幸福と不幸の量にはそんなに大差はないもんや」
 先生は、こちらを向いて笑う。
「そんなに飛び抜けて幸福な人間も、不幸な人間も、ほんまはそんなにおれへんで。みんなどんぐりの背比べや。自分を不幸やと思う奴は、自分を不幸にしているんや」
(中略)
「なんでやろう。他人から愛されへんと幸せになられへんという呪いがかかっているような気がする?」
「え?」
「いや、女という生き物にな」
(中略)
「なあ、自分を幸せにするのは自分自身やで。そうして、自分も幸せにできへんような奴は、他人も幸せにはでけへんのや」

【以下ネタバレあり】

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

















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