ADMIN TITLE LIST
気合を入れた本とそうでない本の差が激しい、読書感想文。メインの読書タイムは通勤時間。マイブームはライトノベル全般。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
今夜、すべてのバーで (講談社文庫)今夜、すべてのバーで (講談社文庫)
(1994/03)
中島 らも

商品詳細を見る

評価★★☆☆☆

あらすじ

薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような…。アルコールにとりつかれた男・小島容が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。吉川英治文学新人賞受賞作。

感想

アル中だった筆者が入院生活について書いた自伝的小説。
物語としては特に面白いとは思わなかったけど、いくつか心に残った言葉がある。

アル中の要因は、あり余る「時間」だ。国の保障が行き届いていることがかえって皮肉な結果をもたらしていることになる。日本でもコンピュータの導入などによって労働時間は大きく短縮されてくる。平均寿命の伸びと停年の落差も膨大な「空白の時間」を生む。
「教養」のない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことでもある。

「教養」の定義が興味深い。

「あんた、自分が人とちがってる、と思ってるだろ」
おれはゆっくり振り返った。
「誰でもそう思ってるんじゃないですか」
「いや。どうも私には鼻持ちならんのだよ、はっきり言うとね。たとえば、あんたは自分と他のアル中を比べてみて、どうだ。自分はなにか特別にデリケートで、特別に傷つきやすくて、そのせいでアルコールに逃げたんだ、とか、そういう薄気味悪いことを考えているんじゃないのか。自分だけが、言やあ、天に選ばれしアル中、みたいな」

自分を特別と思っているだろ、との指摘に胸を突かれた。
私なんか平均以下だし絶対できない駄目だ、と思うのも、自分は努力なしでもできる優秀だ、と思うのも、自分は特別だと思っている点では一緒なんだよね。
努力すれば人並みになれる、というか元から人並みなのに自分は努力していないだけだと、この言葉に気付かされた。

関連記事

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

















管理者にだけ表示を許可する


| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 奇貨居くべし, All rights reserved.


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。